勉強会実施報告「2020年の炎上事案を総括 研究データと事例分析から学ぶ2021年に向けた傾向と対策」
11月25日、シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所(以下、弊研究所)主催の勉強会を開催いたしました。
今回は「2020年の炎上事案を総括 研究データと事例分析から学ぶ2021年に向けた傾向と対策」というテーマで講義をいたしました。
2020年の炎上事案を総括
まず、主任研究員の桑江から2020年1月からの炎上発生件数ならびに炎上の発生源、炎上事案が放映・記事化されるまでのスピードについてお話しさせていただきました。
炎上発生件数(図1)
図1のように、2020年の炎上発生件数は前年に比べ増加しています。11月と12月の炎上発生件数を10月と同水準であるとした場合、2020年の炎上発生件数は1,417件と予測され、前年比で115%増となる見込みです。新型コロナウイルスの影響もあり、4月の炎上件数は246件と前年比の3.4倍に増加しました。企業の炎上リスクが高まった年であるといえます。
カテゴリ別炎上の発生源(図2)
次に炎上事案はどの媒体から発生しているのかという点について共有いたしました。図2の通り、炎上の多くはSNSが発生源でした。また2019年と比較すると、「ネットニュース」が炎上の発生源となっている割合が10%から25%に増加。さらに「まとめサイト」やYoutube、TikTokといった「動画サイト」が炎上の発生源となっているケースも増加していることが明らかとなりました。
(※図2に関しては速報値を記載しており、数値が変動する可能性があります。)
【事例1】アツギのキャンペーン用イラストによる炎上(図4)
1つ目はタイツメーカーのアツギが実施したキャンペーンにおいて、キャラクターが描かれたイラストが炎上した事例を取り上げました。
期間中の投稿件数や投稿者属性といったデータから、今回のキャンペーンが炎上したことを受け、商品の購入を停止・再検討した人数を算出しました。(図5)
【事例2】タカラトミーの不適切投稿による炎上(図6)
2つ目はタカラトミーの公式Twitterアカウントで行われた、不適切投稿に対する炎上事案について取り上げました。
次回の開催日程
次回の勉強会は2月の開催予定です。
いま企業が把握すべき情報、実行すべきデジタル・クライシス対策に関して講義をいたします。
弊研究所について
弊研究所はデジタル上で発生したクライシス(危機や重大なトラブル)を研究する日本初の研究機関として、民間企業の一部門にて2008年から研究を重ねてまいりました。2019年からは正式に研究所として発足し、炎上などのデジタル・クライシスに関する研究を実施。適切な対応方法の普及、社会問題の解決及び企業活動に貢献することを目的として活動を行っております。
安心安全に情報を発信・取得できる世の中を作るために、様々な事例の分析や統計資料の発表をしてまいりますので、今後の取り組みの参考にしていただけますと幸いです。